Quest 2が値上がりするタイミングで発売され注目を集めたpico neo 3 Linkを買って1ヶ月経ったので感想を書きます。
なお、当方VR機器は初めての購入です。(スマホを箱に取り付けるタイプのものは昔あった)
PC側のスペックはCPUが i7 10世代、GPUはGTX 1080Ti、メモリ16GBです。
総じて
結構気に入っています。
2022/10/24 追記 グラボとの相性が悪い可能性が濃厚になり売却しました(後述)。
気に入っているところ
WiFiでPCと繋がる
PCに繋いでゲームをするにはPico LinkというアプリケーションをPCに入れる必要があり、Pico Linkを起動すると自動でSteam VRが起動します。(SteamでインストールしたVRアプリケーションを使うための基礎アプリケーション)
VR側にもPico Linkという名前のアプリが入っており、PC側のPico Linkを起動した後それを起動するとWiFi, Display Portどちらで接続するか選ぶことができます。数クリックですぐ繋がるので楽です。
WiFi接続でも画質の悪さは気にならない
自分の目が悪いだけかもしれませんがWiFi接続でも画質は悪く感じません。
一瞬固まったり反応速度は時折やや遅延することがありますがBeat Saberをしてもそれほど気になりません。
いまいちなところ
DP接続ができない
なぜかDisplay Portでの接続ができません。個体差なのか、自分のPCの部品が悪いのかはよくわかりませんが今公式さんとやりとりをして3週間になります。
数日に1回のペースでお返事をもらい対処していますが残念ながらまだ解決には至っていません。
(2022/10/24 追記 解決せず売却しました。グラボとの相性の可能性あり)
公式さんとメールのやり取りをして4週間ほど経った頃、お返事が途絶えました。ご状況を伺うメールを送るものの1ヶ月経ってもお返事がなく…。(もともと説明書に書いてあること以上の案内がなかったので、公式さんとしても打つ手がなくなったと思われる)
そこで保証書に書いてあった別の連絡先にメールをし、そこにpico neo 3を送ることになりました。(Picoが委託していると思われる別会社のサポート窓口)
サポート窓口では動作したとのことで、グラボとの相性の問題と考えられるという結論に。GTX1080が良くないのか、GTXシリーズが良くないのか、GPUに関係ないところでの問題なのかははっきりしませんでした。
Picoのドライバ, Pico Linkの再インストールや Pico Link起動→接続 の順序などすべて試しましたが八方塞がりになり、サポート窓口から返却され次第そのまま売却です。
同じような症状で苦しむ方がいらっしゃいました。こちらの方はうまくいったのだろうか…
YouTubeとかは入ってない
動画を再生するデバイスとしても大変優秀に感じます。
pico neo 3 LinkはAndroidベースの端末です。本体に最初から入っているブラウザを使えば動画も問題なく閲覧可能で、まるで映画館で好きな動画を見ているかのような気分に浸れます。
ただYouTubeやAbemaやNetflixのようなアプリは入っておらず、後からインストール入れられる様子もありません。アプリケーションのストアはありますがもっぱらVRのゲームやコンテンツを販売するものです。(きちんと方法があったり、開発者モードでADB経由で好きなアプリを入れたりできるかもしれないけど)
時折対応しない入力がある
アプリケーションによっては空間移動の入力を受け付けてくれないことがあります。(やはりなにか設定など方法があるかもしれません)
VRを使った開発をしたことがないので細かいことはわかりませんが、VRからの信号の入力は業界でまだそれほど統一されていないことが原因かもしれません。
Quest 2など広く普及しているデバイスでは正常に動く動作も、別のデバイスになるとデフォルトの設定ではうまく動かないということはよくある話なのでしょうか。
可もなく不可もなくなところ
視野角
98°とのことで、印象としては広くも狭くもありません。
表示しているコンテンツに集中していれば狭いと感じることはありませんが、逆を言えば視野の広さはすごく感動するというほどでもありません。
とはいえVRに特化した風景を表示するとその感動はなかなかのものなので不満というものは全くありません。
12Vの外部電源の接続が推奨されている
pico neo 3 Linkは12VのACアダプタを接続することが推奨されています。(無くても動きはするが充電に時間がかかる)注意点という程でもありませんが私が買った2022年8月現在その電源は同梱されていません。
私は普段から電子工作をする関係で12VのACアダプタを持っていたので問題ありませんでしたが、持っていない方は必要を感じたら別途Amazonなどで購入することになるかもしれません。
ピント調節機能が無い
眼球のすぐ前に映像が出るVRといえども、風景は遠くにあるように描画されるので近視の場合メガネが必要です。
pico neo 3 Linkはピント調節機能が無いので近視の方はメガネを掛ける必要があります。メガネが入る空間はありますが着用すると鼻あての部分が鼻に普段より強くあたって痛くなります。
でも眼鏡の掛け方を試行錯誤して慣れれば改善できることなので私はそれほど気にしていません。
総じて見れば良い端末で、私は満足しています。
今後のシステムアップデートでどのように化けるかを楽しみにできる方には向いているデバイスと考えます。一方、完全に成熟した製品を求める方は少し物足りなさを感じるかもしれません。
購入を検討される場合は、まず端末をレンタルするサービスなどを利用するのも良いと思います。
2022年現在、個人的にはVR自体がキャズムを超えたかどうかくらいの印象なので、これからどんな製品がさらに出てくるのか新たな楽しみが生まれた今日このごろです。
2022/10/24 追記
PICO 4が発売されたとのことで、DP接続の問題が解決されていることを願うばかりです。