結論:EVの不具合は改善中だが、まだガソリン車より多め
「EV 不具合 多い」という検索が増える背景には、確かに根拠があります。
Consumer Reportsの2024年最新調査によると、過去3年間のEVはガソリン車に比べて42%多くの問題を報告しているとのことです。Consumer Reports
ただし、これは大幅な改善を示しています。前年の調査では79%多かった問題が42%まで減少しており、EV技術の成熟化が進んでいることがわかります。
バッテリー関連の不具合:冬場の充電制御が課題
バッテリーはEVの生命線ですが、温度管理が最大の課題です。冬場には充電速度が制限され、急速充電ステーションでの待ち時間が延びることがあります。私も寒波の朝に都市部の急速充電器で予想以上に時間がかかった経験があります。
急速充電の頻繁な使用がバッテリー劣化を加速させる可能性があるという指摘もありますが、現在のEVは熱管理システムが改良されており、以前ほど神経質になる必要はないという見方もあります。Midtronics
満充電での長時間放置は劣化を進める要因とされていますが、最新のEVではバッテリー管理システム(BMS)が自動的に最適な状態を維持する機能が搭載されています。
ソフトウェア不具合:OTAで素早い対応が可能
EVの特徴として、ソフトウェア起因の不具合が多い点が挙げられます。しかし、これは必ずしも悪いことではありません。従来の車ではディーラーでの物理的な修理が必要だった問題が、OTA(Over The Air)アップデートで自宅にいながら解決できるケースが増えています。

テスラは2023年に200万台以上を対象とした大規模リコールを実施しましたが、これもOTAで対応されました。日本経済新聞 一方で、米当局は対策の有効性について継続して検証を行っているという報道もあります。
BMWも2024年にバッテリーソフトウェアの不具合で14,000台以上のiX、i4、i7をリコールしましたが、これもOTAでの対応が可能でした。物理的な部品交換が不要な分、ユーザーの負担は軽減されています。
充電インフラの現実:稼働率と体験のギャップ
充電インフラの稼働率については、事業者の発表数値と実際の使い勝手に差があることが指摘されています。あるEVサービスプロバイダーは95-98%の稼働率を報告していますが、実地調査では72.5%程度という報告もあります。SCS Coatings
日本国内では、一部の事業者が99.9%(スリーナイン)の可用率を達成したと発表しており、PLUGO インフラの信頼性向上に向けた取り組みが進んでいることがわかります。
リコール情報の確認方法と活用法
自分のEVにリコールが出ていないか確認するには、国土交通省のリコール情報ポータルが便利です。国土交通省 車台番号での検索にも対応しており、最新の情報を確認できます。
各メーカーも独自の案内ページを設けています。日産や三菱自動車では、オンラインで対象車両を確認できるシステムを提供しています。日産 三菱自動車
ガソリン車との比較:数字で見る現在地
統計的には、EVは改善傾向にあるものの、まだガソリン車より不具合報告が多いのが現状です。しかし興味深いことに、ヨーロッパの調査では、4-5年落ちのEVの故障率は1,000台あたり4.2件で、ガソリン車の9.4件を大幅に下回るという報告もあります。
PHEVは最も複雑で、70%多くの問題を抱えているという調査結果が出ています。電気とガソリンの両方のシステムを持つことで、不具合の可能性が高まるためと考えられます。
保証とアフターサービス:メーカー別の特徴
EVの保証期間は一般的にガソリン車より長く設定されています。バッテリーについては、多くのメーカーが8年または16万km(いずれか早い方)の保証を提供しています。
三菱自動車のeKクロス EVでは、初度登録後8年以内、かつ走行距離16万km以内でのバッテリー保証を実施。三菱自動車 ヒョンデは5年間または10万kmの一般保証に加え、EV専用部品への手厚い保証を提供しています。ヒョンデ
3つの視点
日常の充電環境を具体的にシミュレーション
自宅での普通充電と外出先での急速充電のバランスを検討します。冬場の出力制限や混雑時間帯の待ち時間も想定に入れておくと、実際の使用感に近いイメージが持てます。
ソフトウェア更新とリコール対応の方針を確認
OTAの頻度や内容通知の方法、過去のリコール対応履歴などを事前に調べておくことで、メーカーの対応姿勢を把握できます。
透明性の高い情報開示を行っているメーカーを選ぶのが無難でしょう。
統計データと実体験を組み合わせて判断
信頼性調査の数字は参考値として捉え、可能であれば試乗やレンタルで実際の使用感を確認することをお勧めします。
数字だけでは見えない部分が、日常使用で重要になることもあります。
まとめ:改善が続くEV、冷静な判断が重要
EVの不具合は確かに従来車より多めですが、改善スピードは着実に上がっています。
42%という数字も、前年の79%と比べれば大幅な進歩です。OTAによる迅速な対応や、充電インフラの整備拡大も追い風となっています。
重要なのは、メーカーや車種ごとの特徴を理解し、自分の使い方に合った選択をすることです。
統計と実体験の両方を参考に、販売店での詳細な説明を受けながら検討することで、満足度の高いEVライフが実現できるのではないでしょうか。
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