増え続けるEV充電スポット、でも知らないと損をする?
電気自動車の普及とともに、街角で充電ステーションを見かける機会がめっきり増えました。2024年12月時点で全国に24,592か所のEV充電スポットが設置され、その数はガソリンスタンドの数にも迫る勢いです。ところが実際はどこでも気軽に充電できるというわけでもないんです。
充電器の種類や設置場所、料金体系の違いを理解していなければ、外出先で「充電したいのにできない」なんて困った状況に遭遇することもあります。この記事では、そんな失敗談も交えながら、EV充電スポットを上手に活用するための完全ガイドをお届けします。
まず知っておきたい充電器の基本分類
EV充電器は大きく分けて普通充電器と急速充電器の2種類があります。この違いを理解しておくことで、用途に応じた使い分けができるようになります。
こちらも参考に:【2025年展望】EVが抱える課題は本当に解決できるのか?充電・バッテリー・コストの最新動向
普通充電器(3~6kW)の特徴と使いどころ
普通充電器は主に長時間の駐車を前提とした場所に設置されています。出力は3~6kWと控えめですが、その分料金が安く設定されているのが嬉しいポイントです。目安・一例として、30分の利用で150~180円程度。レジャー施設で3時間充電した場合は1000円ほどになります。
自宅での充電と同じように、ゆっくりと時間をかけて充電する場面で重宝します。映画館やショッピングモールでの長時間滞在時には、普通充電器を狙って駐車場を選ぶのが賢い使い方ですね。
急速充電器(50kW以上)のパワフルさ
急速充電器は短時間での充電を可能にする頼もしい存在です。50kW以上の高出力で、30分から1時間程度で相当な充電量を確保できます。高速道路のサービスエリアや商業施設などに設置されることが多く、ドライブの途中や買い物の合間に効率よく充電できます。
ただし、料金は普通充電より高めに設定されているのが一般的です。「時間をお金で買う」感覚で使うのが適切かもしれません。
充電スポットはこんな場所で見つけられる
充電スポットの設置場所は本当に多岐にわたるようになりました。それぞれの特徴を知っておくと、目的に応じた使い分けができます。
高速道路のサービスエリア・パーキングエリア
長距離ドライブには欠かせない存在です。各社が順次設置を進めており、多くのSA・PAで急速充電器が利用できます。24時間利用可能で、休憩しながら充電できるのが何よりの魅力です。
商業施設・ショッピングモール
買い物や食事を楽しんでいる間に充電できる便利なスポットです。イオンモールやららぽーとなどの大型商業施設では、複数台の充電器を設置していることもあります。
滞在時間が長めになる場所なので、普通充電器が設置されていることも。お買い物のついでに充電できるので、時間を有効活用できるのが嬉しいですね。家族でショッピングを楽しみながら、車も元気になって帰れるという一石二鳥の使い方ができます。
コンビニエンスストア
24時間営業のコンビニに設置された充電スポットは、急な充電需要にも対応できる頼もしい存在です。セブン-イレブンやファミリーマートなどでの設置が着実に進んでいます。短時間の充電が中心になりますが、ドリンクや軽食の購入と併せて利用できる手軽さが魅力です。深夜の長距離移動中に「あと少し充電したい」というときなどは助かりますね。
宿泊施設・ホテル
旅行先での充電確保に重要な役割を果たしています。ビジネスホテルから高級リゾートまで、幅広い宿泊施設で充電設備の導入が進んでいます。一泊の間にフル充電できれば、翌日の移動に余裕を持てます。
予約時に充電設備の有無を確認し、事前にホテルに連絡しておくと安心です。実際、充電設備があるホテルを選んで予約することで、旅行中の充電計画がぐっと楽になります。
充電器の規格とコネクター
日本国内の充電器には主に2つの規格があります。車種に応じた対応状況を把握しておくことで、充電スポット選びがスムーズになります。
CHAdeMO(チャデモ)規格
日本で開発された急速充電規格で、国内の急速充電器の大部分がこの規格を採用しています。日産リーフや三菱i-MiEVなど、多くの国産EVがCHAdeMO対応です。
普通充電はJ1772規格
普通充電については、J1772という規格が標準的に使用されています。ほとんどのEVでこの規格に対応しているため、普通充電では規格の心配はあまりありません。
テスラ車の場合
テスラ車はNACS(North American Charging Standard)という独自規格を採用していますが、CHAdeMO用のアダプターを使用することで、国内の急速充電器約9,600基と普通充電器約22,000基も利用できます。テスラ専用のスーパーチャージャーネットワークも全国各地に展開されているので、テスラユーザーの充電環境は意外と充実しています。
充電スポット検索アプリの活用術
充電スポットを効率的に見つけるには、専用アプリの活用が欠かせません。それぞれに特徴があるので、用途に応じて使い分けることをおすすめします。
EVナビ
全国の充電スポット情報を網羅的に提供しているアプリです。現在地周辺の検索はもちろん、ルート沿いの充電スポットも簡単に探せます。充電器の空き状況や利用料金なども確認でき、計画的な充電が可能になります。実際に使ってみると、充電スポットの詳細情報が豊富で、初めて訪れる場所でも安心して利用できます。
EV充電エネチェンジ
全国1.8万台の充電スポットを検索できるアプリです。エネチェンジの充電器だけでなく、他社の充電スタンドも含めて横断的に検索できるのが便利です。充電器の設置施設情報や設備の詳細も確認できるので、充電計画を立てやすくなります。
EVカーナビ by NAVITIME
充電スポット検索とカーナビ機能が統合されたアプリです。目的地までのルートを検索する際に、途中の充電スポットも含めて最適なルートを提案してくれます。長距離移動時にはこのアプリが本当に重宝します。充電計画とルート計画を同時に立てられるので、効率的な移動が可能になります。
GoogleマップやYahoo!カーナビ
一般的な地図アプリでも、充電スポットの検索が可能です。「EV充電」や「電気自動車充電」で検索すると、近隣の充電スポットが表示されます。普段使い慣れたアプリを活用できるのが魅力です。新しいアプリを覚える必要がないので、手軽に始められます。
料金体系と賢い節約術
充電料金は設置場所や充電器の種類によって大きく異なります。賢く活用することで、充電コストを大幅に削減できます。
充電カードの活用
月額会費を支払うことで、割安な料金で充電できる充電カードサービスがあります。e-Mobility Powerの充電カードでは、月会費で急速充電が利用できます。月4回以上急速充電を利用する場合は、充電カードの方がお得になる計算です。利用頻度をしっかり把握して、自分の使い方に合っているかどうかを検討してみてください。
自宅充電との使い分け
自宅での充電コストは1回の満充電で約400-500円程度という情報もあります。外出先での充電と比較すると、自宅充電の方が圧倒的にお得です。
基本的には自宅で満充電し、外出先では補充程度に留めるのが経済的な使い方です。この使い分けを意識するだけで、月々の充電コストが大きく変わってきます。
時間帯による料金差
一部の充電スポットでは、時間帯による料金差が設定されています。深夜や早朝の時間帯は割安料金で利用できる場合もあるので、チェックしてみると良いでしょう。
これから押さえておきたい充電インフラの動向
高出力化
今後の充電インフラは高出力化が進むと予想されます。現在50kWが主流の急速充電器も、90kWや150kWの高出力機種の導入が進んでいます。充電時間の大幅短縮により、EVの利便性はさらに向上するでしょう。ユーザーにとって、この技術進歩は本当にありがたい話です。
設置場所の多様化
政府の補正予算では、急速充電器はコンビニやディーラーでの設置が優先されており、より身近な場所での充電が可能になっています。空白地域への設置も進められており、地域格差の解消も期待されます。これまで充電インフラが不十分だった地方でも、EVが使いやすくなりそうですね。
充電時のマナーとトラブル回避
充電スポットを気持ちよく利用するためのマナーも大切です。
時間を守る
急速充電器は30分から1時間程度での利用が一般的です。充電が完了したら速やかに移動し、次の利用者に譲りましょう。待っている人がいるのに長時間占有してしまうのは、やはり気が引けますよね。EVユーザー同士、お互いに配慮し合うことが大切です。
故障や不具合の報告
充電器に不具合を発見した場合は、設置事業者への連絡を心がけましょう。安全で快適な充電環境の維持につながります。小さな不具合でも、早めに報告することで大きなトラブルを防げることもあります。
この記事は執筆時点で得られた情報に基づいています。内容は正確性に配慮していますが、正確性を保証するものではありません。実際の最新の情報は別途ご自身でご確認ください。